次世代Suica

東日本開発セクションの中村です。
真夏のように暑い日が続いていますが、皆さん、お元気でしょうか?
前回のブログではQRコード乗車券について書きましたが、今回は次世代Suicaについてご紹介したいと思います。
Suica
Suicaは2001年12月にサービスを開始した、言わずと知れた交通系ICカード界のパイオニアですが、自社エリアの拡大や他のICカードとの相互利用、モバイルSuicaの登場等、多少の変化はありつつも、この24年間、抜本的なサービスの変更はありませんでした。
最近では、地方の事業者が高額な機器更新費用を捻出できずに、交通系ICカードの相互利用から撤退したり、決済手段の多様化が進む中でSuicaより導入が安価で利便性の高いもの(クレジットのタッチ決済やQRコード決済等)が登場したりと、依然として利用者は多いものの、若干レガシーな感じすら漂ってきていました。
そこに飛び込んできたのが、次世代Suica(Suica Renaissance)のニュースリリースでした。
昨年12月にニュースリリースが出ていますが、最近、これに関するCMも流れ始め、周知されつつあるのかなと感じています。
次世代Suica
次世代Suicaで一番のトピックはICカード(記憶媒体)が不要になるというところでしょう。
世界的な半導体不足で無記名Suicaが一時発売停止になったことは記憶に新しいですが、SuicaはICカードという概念がなくなるというのは、なかなか大きな変革かなと思います。
これまでは、ICカードの中に残高情報等が記録されており、タッチの際は、基本的にICカードと読取機器間の通信だけで処理を完結をしていました。
その後、全カードの情報を管理するセンターサーバーに情報を上げるのですが、これは、リアルタイムではなく、同期を取るという意味合いでした。
これを、次世代Suicaでは、Suica利用時に直接センターサーバーと情報のやりとりを行う方式に変えることで、ユーザーの手元にICカードという記憶媒体が不要になり、本人認証さえできれば良いという世界に変わります。つまり、顔認証やQRコード等で本人認証さえできれば、あとはセンターサーバーにある情報をもとに、決済ができてしまうということになります。これは、2000年代当時の通信技術では、実現が難しかったところが、現代では5Gなんかを使えば、簡単に実現できてしまうということなのだと思います。
と、いざ文字にしてみると、本質的にはものすごい技術革新という感じは全然しないのですが、SuicaがICカードではなくなるというインパクトだけで、大きな変革に感じてしまいますね。。。
次世代Suicaの取り組み
今回の次世代Suicaの取り組みは、Suica Renaissance Vol.1として3年後の2028年度までに順次リリースが行われるようです。また、Suica Renaissance自体は10年以内を目処に実施されるそうで、Vol.2以降の取り組みもあるようです。個人的にはちょっと開始が遅かったのではという感じがしていますが、コロナ禍対応などもある中で、この時期のスタートになったのかなと勝手に想像しています。
ここ数年で様々な変化が起こりそうな、鉄道業界。まだまだ、目が離せません!!
お声がけください
さて、毎度の決まり文句ではありますが、アスタリスクでは、ここまでお話したようなICタグ(UHF/HF帯)やQRコードを含む各種バーコードをスキャンして、業務効率化をはかるソリューションを多数開発・提供しております。何かしら課題を感じられていることがありましたら、是非一度、アスタリスクにお声がけください。