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身近にあふれるバーコード、その歴史と外郭。

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最終更新日:2021年03月25日
身近にあふれるバーコード、その歴史と外郭。

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今日は何の日?-その1・・・10月7日
今日は何の日?-その2・・・6月26日
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のっけから朝のワイドショーのようなノリの書き出しで失礼します。
実はこれ、どちらも掲題の通りバーコードに絡んだ歴史的な日なんです。「普通、こういう時って日付順に書くんじゃない?」と訝った方、この日付の逆順にも理由があるんですねぇ。
正確な年月日で記載しますと、その1は1952年10月7日、世界初のバーコードが特許を取得した日なんです。当時、アメリカはドレクセル工科大学の大学院生バーナード・シルバーが大学の先輩ノーマン・ジョセフ・ウッドランドと共同で“Classifying Apparatus and Method(分類装置および方法)”として出願したのが1949年10月20日。そして晴れて特許(US 2612994 A)として公開されたのがこの日付けということです。
もっとも、この特許取得のバーコードは、現在のような方形縦縞のゼブラ模様ではなくて、なんと多重円型のシンボルで、Bull‘s Eye(形状から「牛の目」と識別の意を込めた「図星」を掛けたんでしょうか?)と呼ばれたようです。
残念ながら当該特許は商品コードの標準化を初めとする幾多の障壁に阻まれて実用化に至らず、1969年に失効しますが、発明者の二人は取得した年の内に特許を15,000ドルで売却しています。当時の為替レートは固定相場で1ドル=360円でしたので、日本円にして540万円で売り払った勘定になります。


US2612994A_バーコード特許

続いて、その2です。時は1974年6月26日午前8時、所はアメリカはオハイオ州トロイにあるスーパーマーケットでの出来事。前年に制定されたUPCコードが印刷されたチューインガムを、普及の途に就いていたPOSの原型ともいえる自動チェッキングシステムによって初めてスキャニングされたという、まさに記念すべき一日なのでした。
ちなみにこのUPCコードですが、ウッドランドたちのバーコードは日の目を見ませんでしたが、そのウッドランドが就職したIBMの同僚が提案した技術がベースになっているというのは、少し皮肉な話かもしれません。

そもそもバーコードとは

バーコードが開発されるきっかけは、スーパーマーケットでのレジ精算を素早く正確に行うためだったようです。とあるスーパーマーケットの社長が、ドレクセル工科大学の学部長に「チェックアウト時に製品情報を自動的に取得する方法を見つけ出せるか」といった相談をしているのを、前出のバーナード・シルバーが小耳に挟んだのが始まりだったと伝えられています。
そこから相棒のウッドランドが海岸の砂浜で情報のコード化を思いつくといった流れで物語は続くのですが、詳細はまた機会があればということで。

で、掲題の「バーコードとは」ですが、要は必要とする情報を符号化(エンコード)して、その符号を復号(デコード)することで自動的に取得することができる、自動認識技術の一つです。
自動認識という枠を外して「情報の符号化」を考えてみると、モールス信号を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。あの「ツー、トン、トン・・・」ってヤツです。まあ、符号化というのは“あらかじめ決められた方法に従ってデータを変換すること”ですから、PGやSEの方なら、思い浮かべる符号化は別のものだろうと思いますが、ここではモールス信号の符号化を例として説明を続けさせていただきます。
モールス信号の符号化方式は明瞭簡単で、長符(いわゆる「ツー」)と短符(いわゆる「トン」)だけの組み合わせです。その上で①長符は短符3個分、②長符短符に関わらず符号と符号は連続しないで、短符1個分の間隔をあける、以下同様に③文字と文字間は短符3個分あける、④語と語の間は短符7個分あける、という非常にミニマムなルールなんです。
で、英文ならアルファベット26文字、和文ならイロハ48文字と濁点半濁点の計50文字、その他にも数字や記号などに1対1対応で長符短符を組み合わせた符号が割り振られているといったものになります。コーディングのルールよりも、1対1のコンパイルの方が覚えるのは大変そうですね。
ちなみにAsReaderをモースル信号に符号化すると「・- ・・・ ・-・ ・ ・- -・・ ・ ・-・」、アスタリスクは「--・-- ---・- -・ --・ ---・- ・・・-」です。
で、このどちらの信号でも良いので、頭の中に、この長符と短符を水平位置はそのままで垂直方向に2~3センチ伸ばしたものをイメージしていただけますか。
頭の中に、太い線と細い線で構成された、とても大きなバーコードらしきものが浮かび上がっているのではないでしょうか?
モールス符号そのままにエンコードされた、モールスバーコード(仮称)の出来上がりです。



太細2種類のバーとスペースで構成されているので、このようなバーコードのことを二値幅(バイナリレベル)シンボルと言います。ISOやJISで制定されているCODE39やNW7、ITFがこのカテゴリーに分類されます。バーコード(1次元シンボル)にはもう1つ、JANやGS1 DataBarなどのようにバーやスペースの幅が多段階(JANは4段階、GS1 DataBarは8段階)に設定されているものもあり、それらのバーコードを多値幅(マルチレベル)シンボルと呼んでいます。


最後にもう1点だけ付け加えさせていただくと、モールスバーコード(仮称)は前述の符号化ルールで「③文字と文字間は短符3個分あける」とありましたよね。つまりAsReaderを符号化する際に「A」と「e」の区切りとして短符3個分の太スペースが入るということです。このように情報を構成する文字や数字を表現するバーやスペースの集合(データキャラクタと言います)が、1つの文字・数字単位で区切られている(この区切りのスペースをキャラクター間ギャップと言います)バーコードを分離型、区切りがなくデータキャラクタが続いて表記されるバーコードを連続型と呼びます。
上記の例で言うと、CODE39やNW7はバイナリレベル分離型シンボル、ITFをバイナリレベル連続型シンボル、JANをマルチレベル連続型シンボルに分類されています。

以上、巷間に出回っているバーコードも、符号化や複合のルールがコードごとに定められ、標準化されていますが、基本的な原理はほぼ同じだと捉えていただければ結構です。ここまで読まれて、内容が腑に落ちた方、あなたはもう、バーコードの理解初級をクリアしたと言えますよ!

自動認識コラムのバーコード篇第1稿はこの辺にしたいと思います。次回以降は、各種バーコードの規定(符号化方式)や使われ方、たまにはこぼれ話なども織り交ぜていきたいと思います。

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